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きっかけは2007年9月に東京店、大阪店で開催したわかりにくいものをわかりやすく紹介していく私たちの勉強会シリーズの第一弾「わかりやすいオペラ」でした。
大阪店の常連さんでもある、テノール歌手の井澤章典さんに、ご無理を聞いて頂き「解説をしながら歌う」というスタイルで素敵な時間を共作しました。
普段、なにげなく聞きなれた素敵な曲に、楽しい解説が加わることで、その歌の世界に僕自身が大きく引き込まれていきました。
アンパンマンの作者のやなせたかしさんの詩の奥深さ。そして、メロディを作られた木下牧子さんという方を知ることができたこと。それを、ひとりの歌い手との出会いで知ることができたこと。それそのものに感慨深いものを感じました。
木下牧子さんは、自分から生まれるメロディのために、東京神田などの古書街に出向き、素敵な詩を探すことに時間を多く使っているそうです。また、漫画家やなせたかしさんは、アンパンマンというこどもに愛される表現を使って、わたしたち大人にも感じることのできる詩の世界を広げていました。
ふだんあるもの、例えばテレビから流れてくる歌。そこに気持ちを移しそこから新しい気づきを手にすること。例えば、アンパンマンの詩を見てみましょう。
そうだ うれしいんだ 生きる よろこび たとえ 胸の傷がいたんでも
なんのために 生まれて なにをして 生きるのか
こたえられないなんて そんなのは いやだ!
今を生きることで 熱く こころ 燃える だから 君は いくんだ 微笑んで
そうだ うれしいんだ 生きる よろこび たとえ 胸の傷がいたんでも・・・・
(アンパンマンのマーチ 作詩:やなせたかし 作曲:三木たかし)
私たちはこのメッセージにどれくらい気づけているのでしょう。
そして、日本の風土の中で、ふるくから今まで、たくさんの素敵な詩が生まれている。アンパンマンの詩は少し変わった例えかもしれませんが、井澤さんと出会い、詩を感じ、メロディを感じ、歌を感じることを知りました。
CDを作り、後で気づいたことですが、びわ湖ホールでの録音の時、わたしたちがメロディを口づさんだり、歌を歌うためには、誰かが詩を書き、誰かがその詩にメロディをつけ、誰かがその楽譜を歌い、誰かが録音し、誰かがCDのような状態にしなければなりません。
井澤さんは言いました。「この日本の詩、メロディを日本の歌曲として広めたい」。私たちはその思いに感動し、ここに1枚のCDを作りました。
この行為を通じて、詩を感じること。メロディをつくる素敵さ、そして、それらを歌う真剣さに触れることができ、それを、なんとかみなさんと共有できないかと、今回の発売を記念したリサイタルとなりました。
少しでも、少しでもいいです。ぜひ、この感動に触れてみて下さい。
D&DEPARTMENT PROJECT 一同
ナガオカケンメイ |